北斗神拳を継承した話。
新年のムードなんざ、すっかり消え去ってしまったこの頃。
引き続き新年のお話を。
予定ではね。
元旦をゴーストタウン、シルバートン(Silverton)で過ごしてね。
翌1月2日にアデレードに帰るということになっていたんですよ。
予定通りね。
元旦はシルバートンで過ごしましてね。
シルバートンを含むニューサウスウェールズ州北西部ではね。
元旦の夜は ”サンダーストーム” の予報。
雷雨ですよ。
視界を遮るものがないアウトバックではね。
ビカビカと光る稲光がきれいに見れるんですよ。
予報どおり雷雨となった元旦の夜にね。
見晴らしのいいところで雷を見よう。
ということで、車に乗り込みましてね。
お?
え?
壊れましたね。
奥様。
車が壊れました。
こんなアウトバックの真ん中のゴーストタウンで。
日付は変わって1月2日。
アデレードに帰る予定の日ですけどね。
帰れませんもの。
とりあえず車を直さないと。
微弱な携帯電話の電波をなんとか探し出してね。
RAAという、日本でいうところのJAFのような機関に電話しまして。
状況を説明しますとね。
ブロークンヒル(Broken Hill)からレッカー車向かわせますから、待っていてください。
やっぱり工場で修理か。
今日は日曜日。
明日は祝日。
奥様。
しばらく家には帰れませんよ。
レッカー車の到着まで一時間以上待つ覚悟をしていたんですけどね。
意外とあっさりとやって来た大型トラック。
朝から照りつけるような太陽の下、トラックを見たときには車が直ったわけでもないのに安堵感が。
トラックを降りてきたのは、絵に描いたようなオーストラリアの田舎町のおやっさん。
とりあえずレッカー車がきて一安心の我々に向かってね。
開口一番。
ギアが壊れた。
ブロークンヒルからシルバートンは約25キロ。
アウトバックを貫く一本道はね。
一応、舗装はされているものの道路状況は決していいとは言えず。
そんな悪路をかっ飛んできたんでしょうな。
それは非常にありがたいことですけどね。
ちょっと手伝ってくれ。
はい?
ボンネット開けるから。
重いよ。
気をつけて。
猛暑の中、トラックの下にもぐりこんでガチャガチャといじくるおやっさん。
ありがたや。ありがたや。
なんとかトラックを直したおやっさんとね。
パジェロを積んでブロークンヒルに向かったわけですけどね。
案の定、修理が始まるのは翌々日からだと。
しかも遠隔地であるが故に、部品がなければ取り寄せに時間がかかるとのこと。
というわけでね。
結果としては、このブロークンヒルでさらに五泊六日となったわけですけどね。
ここブロークンヒルも見ごたえのある街なんですよ。
鉱業により一時は栄華を極めながらも衰退してしまった街。
ある意味ゴーストタウンですよ。
昨年のニューサウスウェールズ州制覇旅行の際にね。
アデレードを発って最初に宿泊した街がここブロークンヒルだったんですよ。
そのときにはね。
まったく街を見ることなく先へと進みましてね。
おもしろそうな街だということは知っていたんですよ。
ブロークンヒルで一泊した翌朝にね。
ちょっとした夫婦喧嘩をしましてね。
今となっては、そのケンカのタネすら思い出せないほどのくだらないケンカだったんですけどね。
宿をチェックアウトした我々はね。
口をきくこともなく車に乗り込みましてね。
若干腹を立てていた私はね。
無言のまま車を走り出しましてね。
無言のまま街のガススタに寄ってガソリンを入れてね。
また無言のまま車を走り出しましてね。
気がつくと街のはずれに差し掛かりましてね。
アウトバックのオアシスとも称されるブロークンヒル。
街を取り巻くのは広大なアウトバック。
いよいよ街を出てアウトバックに突入という境に立つ看板にはね。
次の町というか村の名前と距離が。
ウィルケニア(Wilcannia) 202km
朝飯食いそびれました。
口をきかないままブロークンヒルを飛び出してしまいましてね。
朝飯は200キロ先までおあずけですよ。
今回はゆっくりと過ごせますよ。
五泊六日ですもの。
見所満載のブロークンヒル。
三日もあれば大方見て回れますよ。
というわけで、多くの時間を宿泊したキャラバンパークのプールで過ごした我々。
シルバートンではスプリンクラーでの水浴びに興じまして。
ブロークンヒルではプールを楽しみまして。
奥様。
今回の旅行ですけどね。
海にすればよかったですね。
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