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2011年1月21日 (金)

北斗神拳を継承した話。

新年のムードなんざ、すっかり消え去ってしまったこの頃。

引き続き新年のお話を。

  

予定ではね。

元旦をゴーストタウン、シルバートン(Silverton)で過ごしてね。

翌1月2日にアデレードに帰るということになっていたんですよ。

   

予定通りね。

元旦はシルバートンで過ごしましてね。

  

シルバートンを含むニューサウスウェールズ州北西部ではね。

元旦の夜は ”サンダーストーム” の予報。

    

雷雨ですよ。

   

視界を遮るものがないアウトバックではね。

ビカビカと光る稲光がきれいに見れるんですよ。

  

予報どおり雷雨となった元旦の夜にね。

  

見晴らしのいいところで雷を見よう。

  

ということで、車に乗り込みましてね。

    

お?

  

え?

  

壊れましたね。

  

奥様。

  

車が壊れました。

  

こんなアウトバックの真ん中のゴーストタウンで。

   

日付は変わって1月2日。

アデレードに帰る予定の日ですけどね。

  

帰れませんもの。

   

とりあえず車を直さないと。

    

微弱な携帯電話の電波をなんとか探し出してね。

RAAという、日本でいうところのJAFのような機関に電話しまして。

  

状況を説明しますとね。

  

ブロークンヒル(Broken Hill)からレッカー車向かわせますから、待っていてください。

  

やっぱり工場で修理か。

  

今日は日曜日。

  

明日は祝日。

  

奥様。

  

しばらく家には帰れませんよ。

     

レッカー車の到着まで一時間以上待つ覚悟をしていたんですけどね。

意外とあっさりとやって来た大型トラック。

  

朝から照りつけるような太陽の下、トラックを見たときには車が直ったわけでもないのに安堵感が。

  

トラックを降りてきたのは、絵に描いたようなオーストラリアの田舎町のおやっさん。

とりあえずレッカー車がきて一安心の我々に向かってね。

  

開口一番。

  

ギアが壊れた。

  

ブロークンヒルからシルバートンは約25キロ。

アウトバックを貫く一本道はね。

一応、舗装はされているものの道路状況は決していいとは言えず。

  

そんな悪路をかっ飛んできたんでしょうな。

それは非常にありがたいことですけどね。

  

ちょっと手伝ってくれ。

  

はい?

   

ボンネット開けるから。

  

重いよ。

  

気をつけて。

    

     

02012011_1_2      

   

猛暑の中、トラックの下にもぐりこんでガチャガチャといじくるおやっさん。

  

ありがたや。ありがたや。

   

なんとかトラックを直したおやっさんとね。

パジェロを積んでブロークンヒルに向かったわけですけどね。

  

案の定、修理が始まるのは翌々日からだと。

しかも遠隔地であるが故に、部品がなければ取り寄せに時間がかかるとのこと。

    

というわけでね。

結果としては、このブロークンヒルでさらに五泊六日となったわけですけどね。

  

ここブロークンヒルも見ごたえのある街なんですよ。

鉱業により一時は栄華を極めながらも衰退してしまった街。

ある意味ゴーストタウンですよ。

   

昨年のニューサウスウェールズ州制覇旅行の際にね。

アデレードを発って最初に宿泊した街がここブロークンヒルだったんですよ。

  

そのときにはね。

まったく街を見ることなく先へと進みましてね。

  

おもしろそうな街だということは知っていたんですよ。

  

ブロークンヒルで一泊した翌朝にね。

  

ちょっとした夫婦喧嘩をしましてね。

今となっては、そのケンカのタネすら思い出せないほどのくだらないケンカだったんですけどね。

  

宿をチェックアウトした我々はね。

口をきくこともなく車に乗り込みましてね。

  

若干腹を立てていた私はね。

  

無言のまま車を走り出しましてね。

  

無言のまま街のガススタに寄ってガソリンを入れてね。

  

また無言のまま車を走り出しましてね。

  

気がつくと街のはずれに差し掛かりましてね。

  

アウトバックのオアシスとも称されるブロークンヒル。

街を取り巻くのは広大なアウトバック。

    

いよいよ街を出てアウトバックに突入という境に立つ看板にはね。

次の町というか村の名前と距離が。

  

ウィルケニア(Wilcannia) 202km

   

朝飯食いそびれました。

   

口をきかないままブロークンヒルを飛び出してしまいましてね。

朝飯は200キロ先までおあずけですよ。

   

    

今回はゆっくりと過ごせますよ。

五泊六日ですもの。   

  

見所満載のブロークンヒル。

  

三日もあれば大方見て回れますよ。

  

というわけで、多くの時間を宿泊したキャラバンパークのプールで過ごした我々。

   

シルバートンではスプリンクラーでの水浴びに興じまして。

ブロークンヒルではプールを楽しみまして。

    

奥様。

  

今回の旅行ですけどね。

  

海にすればよかったですね。

   

   

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2011年1月14日 (金)

幻のラオウに捧ぐ。

広大なアウトバックの中の小さなゴーストタウン、シルバートン(Silverton)

ケンシロウの世界に浸るためにね。

アデレードから500キロ運転してきたわけですけどね。

  

果たしてその実態は。

  

小さな町にポツポツと建つ住居や店舗は、いまやカフェやギャラリーに変えられていましてね。

  

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オーストラリアのどんな町にも必ずあるパブが一軒。

   

31122010_14

    

  

それから、いまや資料館として使われている学校や刑務所。

  

などなど。

   

ここはね。

  

しっかりと人々が生活しているんですね。

   

ゴーストタウンぢゃないぢゃないの。

   

しっかりとインフォメーションセンターもありましてね。

そこに置かれた小さなパンフレットを読むとね。

   

シルバートンの人口は60人。

  

もはや ”ゴーストタウン” ではない。

   

ここまで来たのにそれはないでしょう。

   

確かにね。

  

人口60人以下の町。

一軒のパブと一軒のガソリンスタンドしかない町。

建物の半分以上が崩れ落ちている町。

   

そんな町はね。

  

いままで散々通ってきているんですよ。

  

車で旅行すればね。

いくらでもありますよ、そんな町。

  

でもね。

”シルバートン” で検索すれば必ずでてくるのは ”ゴーストタウン”。

  

ニューサウスウェールズ州の公式ウェブサイトですらね。

シルバートンはゴーストタウンということで紹介されていますよ。

   

それがね。

  

よくある田舎町であるうえにね。

  

”もはやゴーストタウン” ではない。

  

なんて。

  

ガス代返せ。

   

廃墟とか産業遺跡はね。

まったく人の手が入っていないか、入っていても必要最低限ぐらいにしてくれないとね。

過去を偲ぶのは難しくなるんですよ。

  

実際に店舗として使われるなんてね。

   

廃墟としては言語道断。

  

店舗として使われている時点で廃墟じゃないし。

  

でもまぁ。

  

おもしろい町ですよ。

   

文字通り廃墟となった建物や店舗として使われている建物は、確かに1800年代後半から建っているものだし。

    

シルバートン周辺は1981年公開の映画、”マッドマックス2”の撮影に使われましてね。

   

パブの横にはメル・ギブソンが乗っていた車が展示放置されていたり。

    

31122010_16

         

   

町にはね。

マッドマックス博物館もありまして。

   

行きましょう行きましょう。

  

掘っ立て小屋のような博物館はね。

  

入場料$9。

   

高くないですか?

   

こんな田舎の掘っ立て小屋で900円は。

  

と思いつつもね。

  

二人分で18ドル。   

  

中に入るとね。

   

6畳ぐらいの小屋の内部の大部分はスナップ写真。

  

一部にはね。

マネキンに着せた衣装関係の展示も。

  

そのマネキンの足元になにやら書いてありますよ。

  

”レプリカ”

   

あんたたちが勝手に作ったわけですね。

   

建物の外にも展示スペースがありましてね。

   

小さなガレージに並べられているのは車両関係。

   

その車両のフロントガラスになにやら書いてありますよ。

  

”レプリカ”

  

あんたたちが勝手に作ったわけですね。

  

前述のパブの横に放置されたマックスの車。

シルバートンの写真には頻繁に登場する有名な車ですけどね。

   

博物館の兄ちゃんいわく。

  

あれはレプリカだ。

   

博物館にはね。

もちろんレプリカじゃない本物も展示してありますよ。

  

ガラスケースの中に展示されているのは何ですか?

    

数々の錆びに錆びた物体。

   

何ですか? これは。

 

撮影に使われた品々だそうですよ。

   

アウトバックで発見。

   

あんたたちが勝手に拾ってきたんですね。

     

奥様は ”マッドマックス2” を観たことがないということなのでね。

  

DVDを買おうと話していたんですよ。

  

もちろん売っているでしょう。

  

博物館だもの。

   

ガラスケースに並べられた立派な展示品を眺めながら思うのはね。

   

売ってるわけないぢゃないの。

  

この人たちが勝手に作った博物館でさぁ。

   

高校の文化祭レベルの展示室でさぁ。

   

$18返せ。 

   

正直言うとね。

  

けっこう好きなんですよ。

  

この手のくだらない所が。

  

マッドマックス2。

まさしく実写版 ”北斗の拳” といった感じの映画ですけどね。

  

オーストラリアのアウトバックは核戦争で滅びた地球のイメージそのもの。

  

ところが。

  

昨年から続く異常な雨は、赤土広がるアウトバックでさえも一面の緑に変えましてね。

   

今夏のクランクインが予定されていた ”マッドマックス4” の撮影も一年先に延期されたとか。

  

ところで ”マッドマックス3” って記憶にないんですけど。

   

アウトバックが緑に変わったとはいえね。

真夏の今は、あいもかわらず地獄ですよ。

  

灼熱地獄。

  

シルバートン滞在中、ほとんどを過ごしたのはね。

キャンプ場に張ったテントの近くにあったスプリンクラー。

水を浴びながら、ぼけぇっと一日中座っていたんですよ。

  

セレブな一日。

     

やっと暑さも和らぐのが午後7時をまわるころ。

夏時間の今は日の入りが午後9時近くとなるんでね。

  

夕日でも見に行くか。

  

となるわけですよ。

  

大晦日もね。

  

大地に沈む真っ赤な夕日を見てね。

  

町の小さなパブで年越しをしてね。

  

翌朝は大地から昇る真っ赤な初日の出を見てね。

  

目的達成。

  

明日はアデレードに帰りますよ。  

    

    

少し長くなってしまうんですけどね。

”アデレード 洪水” なんていう検索が増えてきているので。

   

昨年から各地で洪水の被害が続いていたわけですけどね。

被害は人々の想像を超えるものとなりつつありまして。

ニュースで報じられているとおり、クイーンズランド州の州都ブリスベンが浸水被害を受けましてね。

  

被害を受けたのが小さな町だから小さな災害、大都市だったら大災害というわけではないですよ。

どうしてもインフラ整備がせい弱な地方の小さな町は、自然災害の被害を受けやすいわけでね。

    

旅行で小さな町を目にするたびにね。

こんなところでのんびり暮らすのもいいなぁ。

と思いつつも、山火事や洪水のリスクを考えてしまうんですよ。

  

各地から報じられる洪水被害を不憫に思いつつも、どこか他人事のように考えていた人々。

特に都市部に住む人々にとっては”対岸の火事”。

  

それがね。

オーストラリア第三の都市、アデレードなんかよりもはるかに大きな都市が浸水被害にあって都市機能がマヒしたわけですよ。

  

もはや”対岸の火事”ではないですよ。

  

また、高低差が少ないオーストラリア大陸ではね。

河川の水位は上流から下流に向かって徐々に上がっていくんですよ。

   

どこどこにおける水位のピークは何mで何時間後(若しくは何日後)のもよう。

  

人々は実際の被害がどこまで及ぶのかわからないまま対策に追われるんですよ。

こんな真綿で首を絞めるような災害は精神的にもキツイですよ。

   

そんな中、ブリスベンから西へ130キロの内陸の町、トゥウンバ(Toowoomba)を襲ったのは、内陸部の津波(Inland Tsunami)と報じられた鉄砲水。

死者10名以上、行方不明者50名以上を出す大災害となり、死者数はこれからさらに増えると思われます。

  

現在、洪水の被害を受けているのは、クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州に南オーストラリア州。

今後も被害が拡大する地域があると思われます。

  

今のところ、アデレードには洪水の被害が及ぶということはなさそうですけどね。

各地を襲った洪水による経済的な影響を受けることは考えられます。

   

日本を襲った昨夏の猛暑。

ヨーロッパと北米を襲う寒波。

オーストラリア大陸を襲う水害。

  

地球のリズムが狂っていますよ。 

  

  

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2011年1月 9日 (日)

ひでぶであべしな正月の話。

えー。

  

新年の挨拶を。

  

年が明けて十日も過ぎた今となってはね。

正月気分なんて抜けに抜けまくっている頃でしょうか。

  

新年の挨拶がここまで遅れましたのですね。

  

事情があるんですよ。

    

  

年末年始と、少しまとまった休みとなったんでね。

  

年越しはキャンプをしよう。

  

ということになったんですよ。

  

アデレードから500キロほど離れたニューサウスウェールズ州北西部のアウトバックに忽然と現れる街、ブロークンヒル (Broken Hill)

銀、亜鉛、鉛などの採掘により、1800年代後半から1900年代中盤にかけて栄えに栄えた街でして。

オーストラリアを代表する大企業であり、世界最大の鉱業会社、BHPビリトンを生んだ街でもあるんですわ。

今日でも採掘は続いているものの、主要な鉱脈を掘り尽くした1950年代頃から街は次第に衰退してきていていまして。

ブロークンヒルの街自体は、アウトバックの真ん中に存する街とは思えないほどの大きさながら、過去の街となった今は枯れた雰囲気が漂っていましてね。

  

そのブロークンヒルから北西に25キロ。

周囲360度すべてアウトバックという中を貫く一本道を走るとね。

シルバートン (Silverton) という町に至るんですわ。

   

この小さな町はね。

ゴーストタウンとして有名な町でしてね。

  

ブロークンヒルよりも早くに町が生まれ、鉱業によって栄えたんですけどね。

やがて、ブロークンヒルに都市機能が移っていくにつれて、シルバートンの町も衰退してね。

     

今や、その町はゴーストタウンとなっているそうで。

   

大陸のいたるところで様々な鉱物を採掘してきた歴史をもつオーストラリアにはね。

それこそ、いたるところに ”ruin” と称される廃墟が残っているんですよ。

   

そして我々夫婦はね。

  

そんな廃墟が大好き。 

   

建物やら採掘に使用した重機類なんかをね。

放っておいたら廃墟となりました。

一応100年ほどの歴史があるので ”ruin” として小さな看板でも立てておきますよ。

  

31122010_34

   

「もしかしたら危ないかもしれないですよ。」 いう旨の看板が立っていることもあるんですけどね。

基本的には柵もなく、自由に入ったり触れたりできることも多いんですよ。

保存しようという努力も、特に事故防止のための対策なども施されていない廃墟はね。

素直に過去を偲ぶことができるんですわ。

  

これがね。

保存のための補強やら、安全対策のための柵なんてものがあるとね。

興醒めしてしまいますよ。

     

国立公園の山の中に木々に埋もれるようにして建つ大きな壁。

   

山の斜面に横たわるのは、錆びに錆びたレールの残骸。

   

なにやら車の残骸などもありますよ。

      

”ruin” を楽しむにあたってはね。

過去を偲ぶ気持ちを忘れてはだめですよ。

     

少しでもその気持ちが揺らぐとね。

    

目に映るものはね

  

不法投棄。

   

それでも、そんな廃墟が好きでね。

出先で ”ruin” を見つけると必ず訪れる我々。

  

ゴーストタウンと称されるシルバートンを見逃すわけにはいきませんよ。

  

年末から年始にかけて、アデレードは気温40度超の予報。

アウトバックは文字通り灼熱となる予報ですよ。

  

友人を誘うとね。

  

絶対に行かない。

  

暑いもの。

  

海に行く。

  

正当な意見ですよ。

  

暑いというか、熱い中にね。

  

なぜ故にアウトバック?

  

マゾですか?

  

友人がね。

  

奥様に聞きましたよ。

    

奥様はどうなの?

  

アウトバックに行きたいの?

  

海に行きたいの?

   

  

私はね。

  

もう洗脳されているから。

  

  

数日前からね。

  

ことあるごとにね。

  

  

ブロークンヒルの近くにね、奥様。

  

ゴーストタウンがありましてね、奥様。

  

メル・ギブソン主演の映画 ”MAD MAX2” の撮影も行われたというシルバートン周辺は、さながら ”北斗の拳” の世界が広がっているそうですよ、奥様。

  

アウトバックに昇る初日の出も見れますよ、奥様。

  

どうします? 奥様。

   

    

行く。  

  

     

そうですか。

  

奥様も行きたいんですね。

  

洗脳成功。

  

行きましょう、行きましょう。   

  

シルバートンで三泊ほどキャンプしてね。

新年を迎えて1月2日に帰ってこようということでね。

昨年12月30日にアデレードを発ったわけですけどね。

      

この続きはまたということで。

  

それでは、アウトバックに昇る初日の出とともにね。

  

明けましておめでとうございます。   

  

     

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