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2010年12月12日 (日)

洪水に立ち向かうお巡りさんの話。

今年は全国的に雨の多い年でね。

例年なら各地から山火事のニュースが報じられるころだというのにね。

  

各地から報じられるのは大洪水のニュース。

  

われわれ夫婦がね。

先々月の旅行中に洪水に遭遇した、ニューサウスウェールズ州の内陸の町がワガワガ(Wagga Wagga)

あれから何度も洪水に見舞われただけでなく、いまだ降り続ける大雨により被害は拡大中。

  

そのワガワガだけでなく。

  

クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州に南オーストラリア州とね。

大陸東部は、どこもかしこも大洪水ですよ。

  

昨年まで続いた大規模な干ばつは、オーストラリア国内の農業に大打撃を与えただけでなく、小麦をはじめとする世界的な原料高騰の一因となったわけですけどね。

今年は、その長らく続いた干ばつが終わって大豊作だと言われていたんですよ。

  

それがね。

  

収穫間近のここにきてね。

  

農作物は度重なる洪水によって、再び大打撃を受けたわけですよ。

   

ここアデレードもね。

例年なら、肌寒い日と暑い日を繰り返しながらも、空気は痛いほどに乾燥する時期なんですけどね。

今年は雨が、それも雷を伴う大雨が多くてね。

おかげで、気温が上がった日などは不快な蒸し暑さ。

  

アデレードの夏はね。

熱波に襲われようとも、乾燥しているからこそ耐えられるんであってね。

このまま本格的な夏を迎えてね。

40度超の上に湿度もなんてことになればね。

  

死んでしまいますよ。

  

まさしく今年の日本の夏がそうでしょう?

   

   

もう二週間ほど前のことになるんですけどね。

   

仕事に行ったんですよ。

  

ちなみにね。

私はホテルのキッチンの中でも、バンケット・キッチンと呼ばれるパーティー用のキッチンで働いていましてね。

結婚式や企業のカンファレンス、今の時期だと企業のクリスマスパーティーなどを一手に引き受けているわけですよ。

レストランとレストランのキッチンはホテルの1階にあるんですけどね。

パーティー会場とバンケットキッチンはホテルの最上階、15階にあるんですよ。

  

その日は夕方からウェディングが入っていましてね。

午後から出勤したわけですよ。

  

さぁ、ウェディングに向けて仕込みを始めようとね。

15階のキッチンに入るとね。

  

先に来ていたシェフが半ギレ状態で掃除中でして。

  

どうした?

  

大洪水だよ。

  

今朝の雨だろ。

  

雨なんか降ったの?

  

午後からの出勤だったものでね。

  

朝なんか知らないし。

  

起きてから今に至るまでね。

空は曇っているものの、雨は降っていませんよ。

   

どうやらね。

  

朝方に降った雨はけっこうなものだったみたいでね。

大量の雨水が、ダクトかなんかを伝って真下のキッチンに流れ込んだみたいですよ。

   

おかげでね。

  

ダクト消火が吹いた上にね。

  

ガス遮断。

   

今夜はウェディングですよ。

  

ガスはサービスの時間までには復旧したんですけどね。

仕込みの間はね。

ガスが使える1階と15階を行ったり来たり。

  

時折、局地的な大雨が降るアデレードではね。

よくあることなんですよ。

大量の雨水が建物内に流れ込むなんてことは。

   

多くのレストランやカフェ、パブなんかはね。

ナショナルトラストと呼ばれる歴史的建造物に指定された、築100年以上の建物を利用しているのでね。

リフォームを繰り返しているとはいえ、建物のあちこちにガタがきているわけですよ。

   

ところがね。

  

私が働いているのはね。

  

5スターのホテル。

  

しかもね。

  

オープン間もない新築のホテル。

   

これはね。

  

この建物がどうのこうのという問題じゃなくてね。

建築基準が日本と違うんだと思いますよ。

  

屋上の防水加工とか。

  

梅雨という雨季を持った日本とね。

基本的には乾燥している南オーストラリアではね。

   

   

オーストラリアに来て五年目となりましたけどね。

いまだに驚かされることがありますな。

   

先日ね。

  

仕事から電車で帰ってきたんですよ。

厳密にいうとディーゼル車なんで電車じゃないんですけどね。

  

単線でね。

  

一両編成。

  

それは話の本筋にするほどのことではないんですけどね。

  

駅に着きましてね。

  

駅といってもね。

  

バス停に毛の生えたようなモノ。

  

それは話の本筋にするほどのことではないんですけどね。

   

駅の前に片側一車線ずつの二車線道路がありましてね。

いくら田舎だとはいえね。

街灯はきちんと整備されておりまして。

時間は夜の10時を過ぎたところで、ぼちぼち車も走っていたわけですよ。

   

ふと見るとね。

道の真ん中に大きなスーツケースのようなモノが落ちているんですよ。

  

危ないな。

  

とは思ったんですけどね。

  

けっこう車は走っているし。

  

みんなキチンと避けているし。

  

ちゃんと前を見て走っていれば、気がついて避けられるようなモノなんですよ。

  

そのスーツケースのようなものは。

  

というわけでね。

   

そのスーツケースのようなものを見捨てて歩き始めたんですけどね。

  

少ししたらね。

   

バン。

  

という大きな音。

    

ありゃ。

  

あたっちゃったか。

  

誰だよ。

  

きちんと前も見れないバカは。

  

と思いながら振り返りましたよ。

       

前バンパーの下あたりにね。

  

先ほど見かけたスーツケースのようなものをはさんで停まっていたのはね。

  

パトカー。

  

そのパトカーね。

  

赤灯をまわしながら停まったわけですよ。

  

道の真ん中にね。

  

両方向を走る車はね。

  

最徐行となるわけですよ。

  

道の真ん中に赤灯をまわしたパトカーが停まっているわけですから。

   

私が電車を降りた駅は終着駅なんでね。

  

電車に乗っていた乗客は全員降りてその道を歩いていたわけですよ。

   

全員で三人ほど。

  

そんなわけでね。

  

まぁ、ぼちぼちな数の目がね。

  

パトカーを見ていたわけですよ。

  

そんな中でですよ。

  

パトカーを降りてきたお巡りさんね。

  

バンパーの下に挟まったスーツケースを引っぱり出すとね。

  

なぜか半ギレ状態でね。

  

思いっきりね。

  

歩道に向かってね。

  

放り投げました。

   

   

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