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2010年12月29日 (水)

季節はずれのサンタが蕎麦を食った話。

気がつけばクリスマスも終わり、いよいよ年末ですな。

   

あいもかわらず、まったく実感のない年末となりましたけどね。

   

今日は12月29日。

日本の皆様は仕事を納めて年末の休暇体制に入られた頃でしょうか。

     

こちらではね。

暦上、クリスマス当日が土曜日だったこともあってね。

振り替え休日を含めて、昨日28日までの四連休。

街はさながら正月の東京のようなゴーストタウンぶりでして。

    

連休明けの本日からはね。

一応平日に戻ったものの、年末ムードは例年のごとくゼロ。

この時期、日本で頻繁に耳にする「仕事納め」や「大掃除」などの概念は全くない国なんでね。

    

街には師が走るほど忙しいという雰囲気なんぞ、あるわけもなく。

  

むしろね。

  

クリスマス休暇明けでデロデロなムード。

    

先日ね。

実家の母親から荷物が届いたんですよ。

   

箱の中から出てきたのはね。

  

楽しみにしているテレビを録画したDVD。

    

お菓子。

  

小さなウサギの置物。

  

一瞬、何かと思いましたけどね。

もしやと思えば。

  

来年は年男&年女夫婦。

  

それからね。

  

なぜかね。

  

大量のね。

    

ポケットティッシュ。

   

一瞬、何事かと思いましたよ。

  

聞けばね。

かなり前に、このブログでね。

日本のポケットティッシュは貴重だと書いていたことを覚えてくれていたみたいでね。

   

それにしても。

  

けっこうな量ですよ。

  

ちり紙。

  

オーストラリアの税関は厳しくてね。

大陸特有の生態系を守るために、国内に持込できる物を厳しく制限しているんですよ。

  

生き物や生鮮食品などは言わずもがな。

加工食品や植物でできた民芸品などもね。

物によっては税関で没収となってしまうわけですよ。

  

郵送で送られてくる荷物もね。

X線などで検査された上、場合によっては箱を開けられて調べられるんですけどね。

この場合は 「箱を開けて調べましたよ」 という紙切れが入っておりましてね。

また、没収されたものがあれば 「没収しましたよ」 という紙切れが入っているんですよ。

  

実家から届く荷物ですけどね。

ほぼ毎回と言っていいほどね。

この 「箱を開けて調べましたよ」 カードが入っているんですよ。

何かが没収されたということは、今のところ無いんですけどね。

   

今回届いた荷物からもね。

この 「箱を開けて調べましたよ」 カードが。

  

開けた税関職員にとっても謎だったでしょうな。

  

なぜ故に大量のティッシュが?

  

私が思うにですね。

税関職員は始めにX線にかけたんでしょうな。

  

最近の荷物を調べるX線ね。

空港で目にすると思うんですけどね。

かなり高性能ですよ。

  

白黒で内容物の形だけ映し出されていた一昔前に比べるとね。

今日の機械は、テレビを観ているような画面を映し出しますよ。

  

そんなX線を見つめる税関職員の目にとまったのはね。

  

大量のちり紙。

  

一応ね。

  

オーストラリアは先進国を自負する国ですよ。

  

別に紙類が不足しているということもありませんよ。

  

そんな国に送られてきた荷物の中に大量のちり紙が。

   

おもいっきり怪しいもの。

  

というわけでね。

今回、荷物を開けられて調べられたのはね。

このポケットティッシュのせいだと思うんですけどね。

  

最後まで税関職員の疑問は晴れぬまま。

  

あくまでも私の想像ですけどね。

  

その荷物の中には食料品も入っていましてね。

  

おいしそうな蕎麦があったんですよ。

  

十割そば。

  

蕎麦粉100%だって。

  

蕎麦湯も楽しめるそうですよ。

  

最近は日本食材も比較的容易に手に入るオーストラリア。

  

とはいえ。

  

それこそ何でも手に入る東海岸と違ってね。

手に入る日本食材は、中国製や韓国製の一味違ったモノが多いアデレード。

  

日本の蕎麦粉100%の蕎麦なんて食べたことありませんもの。

  

昨日からじわりじわりと暑くなってきたアデレード。

   

冷たい蕎麦でも食べたいな。

  

と思いまして。

  

茹でました。

   

奥様がシャワーを浴びている隙に。

  

茹で上がった十割そば。

  

それはそれは美味でしてね。

  

しっかりとしたコシもあって。

  

こんな蕎麦は久しく食べてないですね。

   

うまいうまいと完食に近づくころ。

  

ふと気づきましてね。

  

もしかしてさ。

  

おかんはさ。

  

年越し用に送ってくれた?

   

そうでしょ。

  

私だってね。

  

天ぷらの用意してたんだから。

   

  

普通は気がつくでしょ。

   

  

すいません。

  

若干フライング気味で食っちゃいました。

  

冒頭にも言いました。

  

あいもかわらず、まったく実感のない年末となりましたけどね。

   

   

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2010年12月12日 (日)

洪水に立ち向かうお巡りさんの話。

今年は全国的に雨の多い年でね。

例年なら各地から山火事のニュースが報じられるころだというのにね。

  

各地から報じられるのは大洪水のニュース。

  

われわれ夫婦がね。

先々月の旅行中に洪水に遭遇した、ニューサウスウェールズ州の内陸の町がワガワガ(Wagga Wagga)

あれから何度も洪水に見舞われただけでなく、いまだ降り続ける大雨により被害は拡大中。

  

そのワガワガだけでなく。

  

クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州に南オーストラリア州とね。

大陸東部は、どこもかしこも大洪水ですよ。

  

昨年まで続いた大規模な干ばつは、オーストラリア国内の農業に大打撃を与えただけでなく、小麦をはじめとする世界的な原料高騰の一因となったわけですけどね。

今年は、その長らく続いた干ばつが終わって大豊作だと言われていたんですよ。

  

それがね。

  

収穫間近のここにきてね。

  

農作物は度重なる洪水によって、再び大打撃を受けたわけですよ。

   

ここアデレードもね。

例年なら、肌寒い日と暑い日を繰り返しながらも、空気は痛いほどに乾燥する時期なんですけどね。

今年は雨が、それも雷を伴う大雨が多くてね。

おかげで、気温が上がった日などは不快な蒸し暑さ。

  

アデレードの夏はね。

熱波に襲われようとも、乾燥しているからこそ耐えられるんであってね。

このまま本格的な夏を迎えてね。

40度超の上に湿度もなんてことになればね。

  

死んでしまいますよ。

  

まさしく今年の日本の夏がそうでしょう?

   

   

もう二週間ほど前のことになるんですけどね。

   

仕事に行ったんですよ。

  

ちなみにね。

私はホテルのキッチンの中でも、バンケット・キッチンと呼ばれるパーティー用のキッチンで働いていましてね。

結婚式や企業のカンファレンス、今の時期だと企業のクリスマスパーティーなどを一手に引き受けているわけですよ。

レストランとレストランのキッチンはホテルの1階にあるんですけどね。

パーティー会場とバンケットキッチンはホテルの最上階、15階にあるんですよ。

  

その日は夕方からウェディングが入っていましてね。

午後から出勤したわけですよ。

  

さぁ、ウェディングに向けて仕込みを始めようとね。

15階のキッチンに入るとね。

  

先に来ていたシェフが半ギレ状態で掃除中でして。

  

どうした?

  

大洪水だよ。

  

今朝の雨だろ。

  

雨なんか降ったの?

  

午後からの出勤だったものでね。

  

朝なんか知らないし。

  

起きてから今に至るまでね。

空は曇っているものの、雨は降っていませんよ。

   

どうやらね。

  

朝方に降った雨はけっこうなものだったみたいでね。

大量の雨水が、ダクトかなんかを伝って真下のキッチンに流れ込んだみたいですよ。

   

おかげでね。

  

ダクト消火が吹いた上にね。

  

ガス遮断。

   

今夜はウェディングですよ。

  

ガスはサービスの時間までには復旧したんですけどね。

仕込みの間はね。

ガスが使える1階と15階を行ったり来たり。

  

時折、局地的な大雨が降るアデレードではね。

よくあることなんですよ。

大量の雨水が建物内に流れ込むなんてことは。

   

多くのレストランやカフェ、パブなんかはね。

ナショナルトラストと呼ばれる歴史的建造物に指定された、築100年以上の建物を利用しているのでね。

リフォームを繰り返しているとはいえ、建物のあちこちにガタがきているわけですよ。

   

ところがね。

  

私が働いているのはね。

  

5スターのホテル。

  

しかもね。

  

オープン間もない新築のホテル。

   

これはね。

  

この建物がどうのこうのという問題じゃなくてね。

建築基準が日本と違うんだと思いますよ。

  

屋上の防水加工とか。

  

梅雨という雨季を持った日本とね。

基本的には乾燥している南オーストラリアではね。

   

   

オーストラリアに来て五年目となりましたけどね。

いまだに驚かされることがありますな。

   

先日ね。

  

仕事から電車で帰ってきたんですよ。

厳密にいうとディーゼル車なんで電車じゃないんですけどね。

  

単線でね。

  

一両編成。

  

それは話の本筋にするほどのことではないんですけどね。

  

駅に着きましてね。

  

駅といってもね。

  

バス停に毛の生えたようなモノ。

  

それは話の本筋にするほどのことではないんですけどね。

   

駅の前に片側一車線ずつの二車線道路がありましてね。

いくら田舎だとはいえね。

街灯はきちんと整備されておりまして。

時間は夜の10時を過ぎたところで、ぼちぼち車も走っていたわけですよ。

   

ふと見るとね。

道の真ん中に大きなスーツケースのようなモノが落ちているんですよ。

  

危ないな。

  

とは思ったんですけどね。

  

けっこう車は走っているし。

  

みんなキチンと避けているし。

  

ちゃんと前を見て走っていれば、気がついて避けられるようなモノなんですよ。

  

そのスーツケースのようなものは。

  

というわけでね。

   

そのスーツケースのようなものを見捨てて歩き始めたんですけどね。

  

少ししたらね。

   

バン。

  

という大きな音。

    

ありゃ。

  

あたっちゃったか。

  

誰だよ。

  

きちんと前も見れないバカは。

  

と思いながら振り返りましたよ。

       

前バンパーの下あたりにね。

  

先ほど見かけたスーツケースのようなものをはさんで停まっていたのはね。

  

パトカー。

  

そのパトカーね。

  

赤灯をまわしながら停まったわけですよ。

  

道の真ん中にね。

  

両方向を走る車はね。

  

最徐行となるわけですよ。

  

道の真ん中に赤灯をまわしたパトカーが停まっているわけですから。

   

私が電車を降りた駅は終着駅なんでね。

  

電車に乗っていた乗客は全員降りてその道を歩いていたわけですよ。

   

全員で三人ほど。

  

そんなわけでね。

  

まぁ、ぼちぼちな数の目がね。

  

パトカーを見ていたわけですよ。

  

そんな中でですよ。

  

パトカーを降りてきたお巡りさんね。

  

バンパーの下に挟まったスーツケースを引っぱり出すとね。

  

なぜか半ギレ状態でね。

  

思いっきりね。

  

歩道に向かってね。

  

放り投げました。

   

   

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