太陽を求めて放浪した話。 前編。
今年はオーストラリア全土で雨が多い年でね。
Driest Stateである南オーストラリア州でも雨の多い冬となりまして。
冬の終わりから春先にかけては、各地から洪水のニュースも。
普段から何かと雨にやられる我々夫婦。
もちろん今回もやられましたよ。
アデレード出発は小雨の中。
こんなもんでしょう。
それでも、ゴールドコーストに到着するまでの四日間。
時折雨は降ったものの、車での移動中や夜寝ている間に限られましてね。
雨夫婦である我々にしては上出来じゃないすか?
なんて話をしていたんですよ。
さて、ゴールドコースト。
多くの人がね。
”オーストラリア”と聞いて思い浮かべるもの。
ハーバーブリッジとオペラハウス。
カンガルーとコアラ。
それにね。
ゴールドコーストの雲ひとつない青空と、どこまでも続くビーチ。
晴天の日は年間300日以上と言われていましてね。
一年のうち八割は晴れですよ。
奥様にとってゴールドコーストとはどんなところですか?
どんよりしたところ。
ゴールドコーストに滞在した三日間のうち、二日間は低い雲に覆われた曇天。
時折小雨もパラパラと。
しかもね。
今年の5月に日本に帰国した際にね。
乗り継ぎ地であるゴールドコーストに三日ほど滞在したんですよ。
そのときはね。
三日間を通して曇天もしくは雨。
天気が悪くて肌寒い海辺の街。
それがゴールドコーストと聞いて奥様が思い浮かべるものですよ。
テーマカラーは間違いなくグレーですな。
バイロンベイ(Byron Bay)はゴールドコーストから車で一時間ほどのニューサウスウェールズ州北部の町。
オーストラリアの東端でもあるこの町。
ヒッピーの町と称されることも多いんですけどね。
近頃はすっかりツーリストの町、リゾートの町となったものの、町を流れるのは昔のままのゆるい時間。
ここは私がオーストラリアで最も好きな場所。
日頃からね。
奥様にね。
東海岸にはバイロンベイという町がありましてね。
それはそれは素晴らしいところですよ。
何がそんなに素晴らしいの?
言葉では表すことのできない素晴らしさですよ。
ぜひ体感していただきましょう。
バイロンベイ滞在は三日間。
奥様にとってバイロンベイとはどんなところですか?
どんよりして人がいっぱいいるところ。
天候が芳しくなかったばかりか、スクールホリデーと重なったおかげで、町のはるか外から渋滞が起こるありさま。
天気が悪くて肌寒くて人がいっぱいいる海辺の町。
それがバイロンベイと聞いて奥様が思い浮かべるものですよ。
バイロンのテーマカラーも間違いなくグレーですな。
バイロンを発って、クレセントヘッド(Cresent Head)に到着する頃には雨も本格的になってきましてね。
クレセントヘッドは私のわがままで決まった滞在先ですよ。
波乗りしたい。
海辺でキャンプでもしてさ。
のんびりと釣りでもしましょうよ。
と言って奥様を連れてきた場所ですよ。
ホリデーコーストと呼ばれるようにね。
シドニーあたりに住む人々が夏の太陽を楽しむ海辺の町。
とはいえ、クレセントヘッドには小さな村があるだけですけどね。
それはそれはきれいなビーチがありますよ。奥様。
クレセントヘッド滞在は三日間。
奥様にとってホリデーコーストとはどんなところですか?
どんよりして大雨が降る場所。
激しい風雨が滞在中続いてね。
もはやストームですよ。
海は洗濯機状態でクローズアウト。
海以外には何もない、というか海を含めたアウトドア以外には何もないホリデーコースト。
雨なんか降ったらね。
やることありませんよ。
何か遊ぶものは持ってきてないんですか?
こういうときに備えて。
トランプとか。
バックギャモンとか。
旅行といえば、いつもいつも雨にやられるんだから。
そろそろ学習してもいいころ。
何か遊ぶものはありますか?
はい。
フリスビー。
それは屋外で遊ぶものですから。
それだけですか?
遊び道具は。
クレセントヘッドを発つという日。
キャンプ生活なのでね。
テントや椅子、テーブルなどを畳んで車に積み込むというめんどくさい作業があるんですけどね。
朝から大雨ですよ。
もう一泊しますか?
ずぶ濡れになりますよ。
こんな中でパッキングしたら。
結局ね。
もう一泊したところで、翌日も大雨っぽいこと。
もう一泊したところで、このストームの中では暇を持て余すこと。
というわけでね。
多少は雨脚が弱まったとはいえ、降り続ける雨の中でパッキング。
結果はね。
ずぶ濡れとなったテントその他のキャンプ用品を積んだおかげで車内もずぶ濡れに。
濡れて湿った車内はね。
かぐわしい香りを発しましてね。
その後の行程で、しばらくの間我々を苦しめたわけですよ。
しかもね。
パッキング作業中にポケットに入れていた携帯電話がね。
ずぶ濡れとなった挙句。
そっと息をひきとりまして。
降り続く大雨と吹き続ける強風に、いまにも溢れそうな河川。
それがホリデーコーストと聞いて奥様が思い浮かべるものですよ。
テーマカラーは限りなく黒に近いグレーですな。
雨から逃げるようにして向かったニューキャッスル(Newcastle)では珍しく晴天続き。
続くシドニーでも曇りと晴れを繰り返し、天気はまあまあ。
ブルーマウンテン(Blue Mountain)と首都キャンベラ(Canberra)では雨にやられたものの許容範囲内。
どちらもテーマーカラーはグレーとなりましたが。
クレセントヘッドではコテンパンにやられましたからね。
もうないんじゃないんですか。
雨は。
ところがね。
キャンベラを発つころから新しい話は始まりまして。。。
後編へ続きますよ。
昨日ニュースで報じられたアンディ・アイアンズの訃報。
サーフィン大国オーストラリアでは、各局のニュースで流れまして。
彼の死因については、早くもいろいろな憶測が流れていますけどね。
サーフィン界は一人の偉大なサーファーを失った。
事実はそれだけですよ。
故人のご冥福をお祈り申し上げます。
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コメント
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様々な憶測って…?
アンディはデング熱じゃないのかい?
もしかして…( ̄ロ ̄lll)
投稿: ArtFactory | 2010年11月17日 (水) 00時09分
こっちでは、早々にデング熱を否定した報道となったよ。
死因そのものよりも、改めてアンディの功績を称えるという報道が多いけど。
投稿: ヘッポコシェフ | 2010年11月18日 (木) 13時15分